製作
2008
03
どう作ったか
コンセプト
Photo Friday Fri Feb 29, 2008 CHALLENGE ("Fuzzy"#300) として製作。"Fuzzy" というテーマで写真を撮ってUpするという趣旨。
fuzzy とは、自分のボキャブラリでは「あいまい」だった。
でも辞書でちゃんと調べると「毛羽立つ」という意味も持っており、さらに出題後すぐに応募された100 数点のほとんども、毛羽立ちをイメージさせる写真が多かった。
英語圏の応募者がほとんどのようだし見に来る人ももそうだから、やはり「毛羽立ち」写真がいいのだろう。でも毛羽立ちを敢えて粘土でうまく作ることに自信がなく、またやっぱり「あいまい」も表現したかったので、両方を見せれるように考えてアイデアを考えた。
事前の問題点
で、テーマは決まったけど何を作るか。何より毛羽立ちをどう作るかが悩ましい問題だ。
毛羽立ちといえば、髪の毛とか動物の体毛とかを作ることになるんだけど、そういうのって粘土では寝かした毛ということにして、表面に筋や溝を入れて表現したり、せいぜいヘアーメーカーを使い、それを一本一本貼り付けるくらいしかやったことがない。
でも、その方法では毛羽立ちはうまく表現できない。毛羽立ちって、寝てる毛じゃなく立って起きてる毛じゃないと、毛羽立ち感が感じられない気がするんだ。
せめて先端がとがってギザギザしてるイメージが欲しい。
それをどうやって粘土で作るか。今いっこ考えているのは、溶きパテのように粘土をペースト状にしてやり、それを筆で伸ばし塗りつけるようにして繊維質のものが作れないか?という考え。女性のマスカラでそんなことができる製品をみたような記憶がある。
粘りがあってかつ液状に粘土を保つことができれば、毛羽立ちがイメージ通りにできると思うのだがどうだろうか。
制作メモ1:ネタ出し
アイデアをひねる。「あいまい」を表現しようと思ってる。「毛羽だった」動物が「あいまい」な状況に戸惑う絵を作りたい。これでどっちの「Fuzzy」の意味もクリアできる。
あいまいとは、どっちつかずな状態を表す。つまり「白」か「黒」かの二者択一で決められないでいるってのが絵的には分かりやすく説得力があると思う。
さらにその「白」か「黒」ってのも正反対の概念で、一瞬で判断がつくようなもののほうが見てる人にはわかりやすいだろう。
完成イメージの絵を描く。できた絵を見ながらどうやって作るかを具体的に考えていく。ファインダーで写したい範囲を描き加え、作る上での注意事項なども書きだしてみる。
今回まず気をつけようとしたことは、牛の人形を大きく作りすぎないこと。いつも作りやすい大きさで作ってしまい、あとからセットの背景やらが巨大化して困ることが多かった。まずは厚紙で大体のセットの大きさを作り、それを基準に発泡スチロールを切って大きさを決定することにした。
制作メモ2:粘土作り
セットを元に割り出された発泡スチロールの塊を、人型の牛が立ってる姿になるように切っていく。肩から足までの背丈を決め、下書きの絵と頭の中で描く大体の完成イメージを、発泡スチロールにボールペンで描く。
頭にしっかりとイメージを描きながら切っていく。補助線を描くのは切り出すきっかけをつかむため。実際切っていると線通りだと違う気がしてくるし、線がかえって邪魔な気がしてくる。
細くて切るのが困難な部位や、くねくねして切りにくい箇所は別素材の芯、例えば針金とかで作るなり、芯なしで作るとかすればいい。今回は腕を芯なしの粘土で、尻尾は針金を芯に作った。あと今回のポイントになる頭部の毛を糸を芯にした。
途中、実際に撮影するときのカメラでのぞいてみる。どの辺りまで写るのかを確認し、マジックで線を引く。セットの大きさを決めるために必要な確認だ。
発泡スチロールが大体イメージ通りに切れたら、今度は一回りか二回りか痩せさせるように小さく切る。この後の工程で粘土を薄く貼っていく。その結果、芯よりも太った人形になる。貼り合わせる大体の粘土の厚みを逆算して、出来上がった人形の芯をさらに切っていく。
今回は粘土にラドールを使った。前回使ったプルミエで、色塗りに不満が残ったので変えてみた。ラドールはフォルモに比べると、ちょっときめが細かく伸びもいい気がする。
薄く伸ばした粘土シートを芯に貼り付けていく。作業中は常に指先をきれいに保つよう心がける。そのままにしておくと、指先に付いた粘土が乾いて剥がれ、今こねている粘土に混じってしまう。混じってしまうと粘土で細かい部分を作るとききれいにできなかったり、表面が汚くなることがある。
体に粘土を貼り終えたら、腕を別パーツで作り体にくっつけていく。頭も別の芯で作っていき、体にくっつける。人形を自立させたいから、バランスをとるために頭をくっつけてから細部も作った。
尻尾と頭部の毛以外を完成させたら、一旦粘土の作業は終わりにした。
制作メモ2:背景
ドアの前に立ちすくみ考え込んている牛の絵が、今回の作品の完成図だ。ドアと壁と床が必要だ。
人形の大きさを割り出すために作った厚紙のセットをベースに、スチレンボードで別に作ったセットを張り合わすことで作ることにする。
ドア部分を切り抜き、下にもう一枚板を重ねることで立体的にする。下に重ねる板の部分にドアの色と絵を描き重ねる。
壁には粒の入った素焼き風の質感になる塗料を塗りつけ、床は筆の塗りムラが出るように色を塗って、床の表情が出るようにしてみた。
制作メモ3:粘土作り2
牛の人形に色を塗っていく。白を塗ってから、目、黒いブチ模様、鼻、爪を塗っていった。
塗りおえたら頭部の毛を作ることにする。頭部は糸を芯にして作る予定だった。弱くて壊れやすいと思われるため、人形に関して全部の工程が終わってからの方がいいと思い後回しにしていた。
尻尾も同様に折れやすく取れやすいと思われるため、毛と同時進行で作った。
毛は糸を束ねた物をまとめ、先っぽをカットした物を頭に植え付けるというイメージで作っていった。
まず、粘土をペースト状に溶かす。小さくちぎった粘土に水を加え、水加減、粘土加減を見ながらかき混ぜてペースト状にする。
束ねた糸の片方を、ペースト状粘土に一瞬浸し、小さくまとめるようにして固める。固まったら、反対側を必要な長さにカットして表情をつける。牛の頭部を切り抜きへこませて、カットした糸の束を根本に埋めて固定してやる。
頭部の毛を固定したら、カットした糸にペースト状粘土を塗りつけ染みこませる。余分な粘土を拭き取り、ピンセットの先などで、一本づつ選り分け向きを整えてやる。
尻尾と頭部の毛ができたら色を塗り、牛人形は完成。
制作メモ4:撮影
こたつの上に撮影用のセットを組んでいく。別で用意しておいた壁と床を、厚紙のセットに貼り付けて完成させる。
薄いスチレンボードに色を塗ったことで、板が反ってしまった。反対面に水を塗り乾燥させて反りを戻そうとしたり、重しをして反りを直そうとした。
床面は反りが直らず、テープで押さえつけるようにして反りを矯正した。
セットに牛人形を立たせる。パースを付けた床なので、かかと部分に板を一枚挟むことで人形が倒れないようにさせた。
カメラを手で持ちファインダーからのぞいて絵の位置を決める。決めた位置からカメラを動かさないように注意して、三脚をたぐりよせ備え付ける。
再びファインダーをのぞき、希望通りの絵になるよう調整をする。
今回の作品の肝は、牛の頭部の毛だ。"Fuzzy" の表現だ。だからここにピントを合うよう調整し、背景の扉はぼかしたい。なるべく大きくぼけて欲しいから望遠レンズを選び、絞りはどちらかというと開け気味を意識して撮影した。
ライトは頭部に一灯。これをキーライトとして、サイドから補助ライトを一灯つけた。頭部からのだけだと光が弱いと思ったからサイドからも照らした。光源面とその影になる部分で明暗の差もついて、立体感が強調できたんじゃないかと思った。
制作メモ5:加工
撮影後フィルムを現像に出す。現像後フィルムをスキャナーで取り込む。その間にこの製作プロセスレポートもまとめていく。
Photoshopで開いてどの写真を使うかを選ぶ。その後で色具合とかトリミングとかを考え加工していく。
今回の反省点
"Fuzzy" が表現しきれていない。頭部の糸はもっと細いのも用意しておけば良かった。買っておこう。あと色が白いのがいい。
ピン惚け具合が甘すぎる。もっと惚けてくれるのをイメージしていたのに。壁から被写体までの距離をもっと広く開けられるようにセットを作らないといけない。
頭部の毛が気に入らず、撮影直前に作り直しをした。撮影が気に入らず、スキャニング後に撮り直しをした。やり直しはひどくがっかりする。ものすごく消耗した気がする。悲しいのでよく考えて行動しよう。
スチレンボードが反り返る現象について、もっとましな修正方法を考えておく。
工程を写した画像は、説明に即した場面が使えるように、もっとたくさん写しておこう。手で作業してるところが撮れるといいのに。
前々から撮影でトレペを吊したいと思うことがあったけど、うまく固定できる器具がないので工夫の方法を考える。同様にレフ板の支えもあるとすごく便利だろうな。




















うしさんの顔かわいいねぇ。ぬめっとした馬面系大好き。
名前: miki | 2008/3/3(18:11)
mikiさん>
感想ありがとうございます。
角を描くべきかで少し迷いました。
名前: .ロク | 2008/3/3(18:39)